ウプサラ大学講堂
なかなかなかなか立派な荘厳な会場. いつもの物理が使う会議場とはちょっと雰囲気が異なる. あたかも,今にも宗教儀式が始まりそう. 昔は,教授の座る席,女子学生の座る席,など, 身分によっての座席指定があったとのこと.私は当然,教授席に 座った.(語学力がないので,文字がよく読める場所に 座る必要があったから.)
ウプサラ大学ロビー
ギリシャ彫刻(?)の並ぶ重厚なロビー. ここで,休憩時間にはコーヒーのサービスがあった.
ウプサラ大学本部(会場建物)
日本では蒸し暑いさなかに出発したのに,ここでは 寒い毎日が続き,セーターにウインドヤッケ姿でも まだ寒くて震える日々であった. (ホテルのシャワー室には暖房が入っていた.) なお,7月1日からはようやく日も照り初めて,帰るころ (7月6日)には「静岡の5月」のさわやかさになった.
大聖堂
会場となった大学本部のすぐ前には,荘厳な大聖堂が建っていた.
7月2日(土)には,大聖堂で我々のためにコーラスの会が 開かれた.ハーモニーはこの建物にマッチして, 中世の世界に引きずり込まれたような錯覚さえした.
大学の庭には,このような謎の模様が描かれた石が ごろごろ.「ルーン(rune)石碑」と言うそうな. 今ではほとんど解読されているらしい.
旧階段教室 (現在は使われていない. 記念のため,保存されているだけ.) こんなに真上から覗かれたら,頭の頂点が薄い先生は きっと嫌だったろうな.
ウプサラ地ビールとエビ
この街では,ホテルにはビールの自動販売機は置いてなく, 駅の売店にもビールはない.そもそも,街の中にどこを探しても 「酒店」はなかった.飲みたければビアレストランに行くしかない. それで,しばしば,ビアレストランへ行く羽目になった.
ウプサラ地ビールはなかなかいける. エビを「フル」で注文したら食べきれないほど出てきた (「ハーフ」にすべきであった.). なお,外の景色は明るいが,むろんこのビアガーデンが オープンするのは夜のみ.ここスウェーデンでは夜も明るいのだ! (ただし,右の写真は昼間,ビアガーデンがオープンして いない時間帯に撮影した.)
7月4日(月)はお城(旧王宮,現ウプサラ市庁舎)での晩餐会. 観光客でもこの建物の内部にはなかなか入れてもらえないらしい. ラッキー!
トナカイの肉など,いろいろ楽しめた. 素敵な夜であった.
しかし,11時半を過ぎても外はまだ明るく,会もまだまだ続きそうで 終わる気配がない. 最終日の明日も真面目に出席するつもりなので, 明日が気になり,最後を見届けることなく,ホテルに帰ることとした. (半分以上の人たちは,五月雨的に退席していた.)
そとはすっかり「夜」と写真では見えるが,実はまだ薄明るく, 11時半でも街灯なしでホテルへ帰ることができた.
7月3日(日)は,会議はお休みで,会議参加者と共にバスで ストックホルムへツアーに出かける. 天気も快晴.(昼間,3時頃,デパートの玄関にある気温計を 見たら 15度Cであった.久々の心地よい暖かさ.)
ノーベル博物館からスタートして,ガムラ・スタンの街を散策. 王宮での衛兵の交代に出くわす. その後,ヴァーサ号博物館へ. あっという間に時間がたち, かなり疲れた.でも,参加してよかった.
以下,ストックホルムでのスナップショットを掲げる.
(左)ノーベル賞,賞状とメダル (右)受賞後の晩餐会メニュー
(左)ノーベルのデスマスク (右)小柴さんの受賞のきっかけとなった ニュートリノ観測のための光電子増倍管
旧市街ガムラ・スタンの路地
旧市街ガムラ・スタンの街角にて
王宮での衛兵の交代
「ヴァーサ博物館」はこの日訪れた場所で最大の 興味を引くものであった. 当時,世界最大級と言われた巨大戦艦ヴァーサ(Vasa)号が 展示されている.この船は,1628年8月10日, 処女航海に出かけるための沢山の来賓達が見守るさなか, あっさりと湾内で沈没した.展示の船はその後1961年に 引き上げられたものである.船だけでなく,船に積み込まれて いたものなど,数多くの貴重な資料が展示されている.
この時代の戦艦というものの意味も大変興味深い. 例えば,1620年代末にスウェーデンが失った戦艦15隻の うち,海戦で失ったのはたった2隻で,後の13隻は操行 上の問題から沈没した.当時の風まかせの船では, ストックホルムから外海までの数十キロを航海するのに 1ヶ月もかかることすらあったとのこと. 海戦に加わることなく沈没する船が多いのも,外観上の 壮大さや砲門数にこだわったからで,実戦上の配慮が まるでなされていない. このように,ほとんど実戦に役立たないものに, 当時の北欧諸国は巨額の費用を 費やしていたようだ. 現代の諸国の軍備(あるいはかっての日本の 軍備)にも思い当たるところがあり,大変教訓的なできごと のように思う.
夏を楽しむストックホルムの市民達
かって憧れであったスズキの「カタナ」に お目にかかる.今でも健在とは!