国立台湾大学の前身は「台北帝国大学」であり,「帝国大学」としては, 私の所属する大阪大学(旧「大阪帝国大学」)よりは設立が古い大学であり, 大阪大学より先輩格の大学である. 従って,どんな大学か大変興味があり,招聘の話が出たときには すぐさま是非行きたいと返事をした次第.
今回は,学会出席のためではなく,純粋に大学に招かれての 滞在なので,大学の様子を十分に知ることができ, 興味深い毎日であった. 土・日を利用して,私の趣味である博物館めぐり(歴史や 民俗学の)を行い,台湾を十分に堪能できた. むろん,若い研究者の方々ともいろいろ意見交換をする ことができた. とてもたのしい日々を過ごすことができた.
私の招聘にご努力いただいた国立台湾大学兼国立理論科学 研究センター(国家理論科学研究中心)の何小剛(Xiao-Gang He)教授 に深く感謝したい. また,私の台湾滞在中,いろいろと面倒を見ていただき,また, 細かな気遣いをしていただいた,若い日本人研究者の方々にも深く 感謝したい.
[5] 九紛(糸ヘンを人ベンに換える)JiouFen (5/05土)
さすが,伝統のある,しかも国の威信をかけて,お金を注いでいる だけのことはある. まずは,広大な敷地に驚かされる. 貫禄のある古い赤煉瓦の建物もあれば,新しい高層ビルの研究棟も ある. 右端の写真は,13階建ての物理学研究棟. この建物の最上階の眺めは抜群. (そのフォトは下記のアドレスをクリック.)
「国立理論科学研究センター」は,台北から車で1時間半ほど離れた ところの新竹市(Hsinchu)にある. もっと詳しく言えば,新竹市にある名門「国立精華大学」の一角にある. 説明を聞いてもなかなか理解しにくいのだが,このセンターは精華大学の 建物の一部に居を構える. しかし,ここの予算で,国立台湾大学や国立精華大学その他国立大学の 物理系の予算がまかなわれる. その意味では,ここは,各国立大学の物理系を束ねるセンター的 役割を持つらしい.
ここのボスは,現在,XiaoGang He 教授.彼は,国立台湾大学の教授でも ある.私を招いてくださったのもむろん彼. 今日(5/01火)は,彼の車で,ここ理論科学研究センターでのセミナーの ため,車で連れてきてもらった.(一人でバスで来たら,かなり うろうろ道に迷っていたことであろう.)
「精華大学」といえば,北京にある「精華大学」も有名である. そことの姉妹校かと思ったら,台湾では,こちらが本家とばかり, 中国本土で有名なものは,すべて同じ名前のものを台湾でも 作るらしい. 例えば,「故宮博物館」などもその例であろう. そういえば,この国立精華大学のキャンパスの隣は, 「国立交通大学」のキャンパス.この大学名と同じ大学が中国本土に もあったっけ. 中国本土にあって,台湾にないものは「中国共産党」くらい かもしれない.
(左)国立理論科学研究センターが入居するビル(精華大学).
(右)私が割り当てられた研究室. 国立台湾大学のものより遙かに近代的. スマートな部屋の造りとなっている.
228事件を記念して設置された公園.園内には228記念館だけでなく, 国立台湾博物館がある. ここからは,台北駅や総統府も近い.
228和平公園および園内にある国立台湾博物館
(左)台北駅の内部:日本の駅と違って,広々としていてスケールが大きい. (写真は,駅の内部のを写したもので,外部から撮ったものではありません. ちゃんと天井が写っています.)
(右)総統府:特にものものしい警備というものではなさそうだった.
初代中華民国総統,蒋介石を記念して建てられた中正記念堂の他, 国立芸術館など,いくつかの建物がこの広場に集まっている.
(左) 中正記念堂 :写真では建物の巨大さがうまく写せなかった.
(右)蒋介石愛用の車(他にもいろいろの展示物があって興味深かった.)
孫文の記念館「国父記念館」,そこから少し離れて「台北市政府庁」, さらに離れて,「台北101展望台」などがある.
国父記念館:中正記念堂と比べるとその規模はずっと小さい. 展示物もあまりない.
思ったより興味深かったのは,市役所内にある「台北探索館」. ぜひ,訪問をお奨めする.ここはもっと時間をかけたかった のだが,朝から何も食べないで,中正記念館,国父記念館と はしごしてきたので,さらにこのあと101展望台にも行くつもりだった ので,そうそうに切り上げて次の訪問場所へと直行した. ちょっと残念.
101展望台:(左)遠景,(中)展望台より,(右)建物内の商業店舗
空港を一歩外に出ると,もうそこは台北市の繁華街. こんなところに空港があってよいのかと驚かされる. 大阪の伊丹空港のようなものと思えばよいのかも.
土曜日の休みを利用して,朝から,あこがれの故宮博物館へ出かける.
ただし,ここは撮影禁止の博物館なので,あまり写真は撮れなかった. 単なる感想記でよろしければどうぞご覧下さい.
Kさんにガイドしてもらって,台北近郊の街 Jiou Fen を訪れる. 石段のあるとても情緒のある街.
みんなで士林の夜市へと繰り出す.
(左)ごく普通の日本人向け魚料理店
(左)おいしいドイツビールを飲ませてくれるお店. お店の感じはどうみても飲食店の雰囲気ではない. 台湾の人たちはここへはコーヒーを飲みに来るとか. ビールを注文するのは,日本人だけとのこと. 私はすっかり気に入ってしまった.帰るまでにせめて もう一回と思ったのだが,残念ながらその機会はなかった.