2002年度ノーベル物理学賞
ディビス教授,小柴教授,ジアコニ教授に!
--- 受賞理由は,宇宙物理学における
パイオニア的貢献
プロフィール
- ディビス教授( Raymond Davis Jr )
- 1914年アメリカ生まれ.ペンシルバニア大学(アメリカ)物理学・天文学教授
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- 小柴教授
- 1926年愛知県生まれ.東京大学教授 物理学教授
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- ジアコニ教授( Riccardo Giacconi )
- 1931年イタリア生まれ.大学連合機構 (アメリカ)
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写真は,http://www.nobel.se/physics/laureates/2002/press.htmlより転載
業績
- 業績の紹介は,
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http://www.nobel.se/physics/laureates/2000/press.html
- をご覧下さい.
個人的感想
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1987年2月23日午後4時35分,大マゼラン星雲の中1つの星が超新星となり,
そのときに放出されたニュートリノ粒子が,15万年の宇宙の旅を経て,地球.
それも日本の岐阜県神岡超の地下1000mの所にある東京大学宇宙線研究所の
観測装置カミオカンデ(kamiokande)に到達した.(下の図参照)
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日本物理学会誌第42巻第5号(1987年), p.500 より転載
中央にピークを形成しているエネルギーの高い11個が,
超新星からのニュートリノ信号.
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それは,まさに小柴先生が定年退官で東京抱いた区を去ろうとされている直前
のことであった.超新星そのものは,そうしばしば誕生するものではない.
(あれからすでに15年を経ているが,その後,このような現象は全く観測されて
いない.)小柴先生がリーダーとなって建設したこのカミオカンデ観測装置(それ
はもともと陽子崩壊という現象の研究のために作られた)が,ここで大きな役割
を果たしたことになる.そして,この貴重なデータを基に,その後,宇宙物理学と
素粒子物理学は大きな発展をとげることとなる.(カミオカンデでは,この業績を
バネに更に,
スーパカミオカンデ
へと発展する.)
この1987年2月は,私は米国
メリーランド
大学に滞在しており,そこでもこの貴重
な観測はビックニュースとして学内で話題となっていたことを思い出す.そして,
その年の4月1日,我が静岡県立大学が発足した.(私はその前日,静岡県立大学に
着任のため帰国した.)本学は,世紀の記録に残る記念すべき年に誕生した訳であり.
感慨無量である.
[小出義夫 記]