人間と思想 (物理学は何を発見してきたか)
「物理学」とは何か(高校で習う「物理」はいかに「物理学」
とはかけ離れたモノであるか!)について正しく理解してもら
うことを目標とする.
物理学が発見してきたもの − それはニュートリノでもなければ
カーボンナノチューブでもない.物理学が発見してきたもの −
それは「思想」である.
古典物理学の2つの柱をなす「ニュートン力学」と「マックスウェル
電磁気学」,および現代物理学の基礎をなす「アインシュタインの特殊相対性理論」
と「量子力学」との4つに例にとって,そこでは何が「発見」されたのかを解説する.
(授業は主として後の2つの例に力点を置く.)
この授業は「物理学」の授業である.日本の高校・大学においては,
「テクノロジー(技術)」の教育はなされても,「サイエンス(科学)」
の教育はほとんどまともになされていない.物理学はサイエンスであるということを
ぜひ忘れないで欲しい.
「絶対静止系」の考えはなぜ放棄されることになったのか
「時間」の相対性, 「物理的実体」としての「時空」
自然を「確率」的にしか把握できないということは本当か
これが私の定年前の最後の全学共通科目講義となると思いますので,
興味のある方はぜひ今回の受講をおすすめします.ただし,
数式抜きの物理学などあり得るはずがありません.物理学の予備知識は不要ですが,
数学には十分な力を要求します.皆出席の自信のない方にはおすすめしません.